2025/06/18 09:35
自分が何かを書きたくなるタイミングという
のがあります。それはたぶん、僕が人に対し
て同じようなことばかり話しているなと思っ
ている時だと思う。
僕は熊のことについて人と話すことが、普通
の人よりも多いと思います。熊の革製品を取
り扱っている以上それは仕方のないことなの
だけど、だんだんと自分が喋ることがテンプ
レートみたいになっていく感覚があって、そ
れがとてもとても嫌です。話す人や場所やタ
イミングによって話すことばを変えるような
努力はしているつもりなのだけど、どうして
も大きな括りとして熊の話題が多くなる。何
度も書くけど仕方ない。でも、ほんの脇道で
もいいので、別の話をしたくなる。いや、も
っと言えば何にも話したいことなんてない、
と思っている。
書くというのは、話すのとは全く別の空間で
の話。誰にも言わないようなことや思ってい
ても口にしないことを、書くことでならば表
現することができる。それは暴露やら本音を
言うというような刺激的な話ではなくて、書
くことでしか使えない筋肉を使っているよう
な別の運動なのです。
仕事でもっと、熊とは全く関係のない話がで
きるようになりたいなあ。これは僕の大きな
目標の一つです。でも、ひとつ光明が見えて
いることとしたら、お客さんのお話をただ聞
くという時間が増えていることかな、と思い
ます。
森、道、市場でZINEの販売をしていたとき、
出店者のカレー屋さんや、福井で山生活をし
ている山の民さん、九州で伝統野菜の普及運
動をされている方、映像関係の仕事に就きた
い大学生、僕の地元と同じ香川県民の方々、
白骨標本を作るのが好きな女の子、思い出す
だけでも本当にたくさんの人の話をききまし
た。これまで交わることのなかった人たちと
お互いの仕事について、あるいはこれからの
人生について、そして今考えていることにつ
いて「熊」を間に置いてお話しできているこ
とがとても嬉しかった。こういう時間がもっ
と増やせたらいいなと思っているんですよね。
ビジネスというと、どうしても利益を上げて、
事業を運営していくことだけを考えてしまい
がちだし、そうなると、その日にどれだけ売
れたかだけがそのイベントに出て良かったの
か悪かったのかの指標になってしまうのだけ
ど、それって複数ある大事な指標の一つなの
です。どれだけいろんな人といろんな話がで
きたか、というのはお金と同じくらい僕にと
ってとても大事なことなんだと思いますし、
大事にできるようにもっと稼ぎたいなとも思
っています。両輪なんですよね。
今日もわざわざ読みにきてくれてありがとう
ございます。インターネットでの販売はちょ
っと味気ない、と思うけど、でも手紙やメー
ルなどの一方通行的なやりとりも悪くないっ
て思う。
(リアルで会えた時の嬉しさもあるし。)
今日の子。
子が離乳食デビューした。これから野菜やら肉やら食べてどんな反応するんだろう。たのしみすぎる。