2025/03/19 12:28
はじめまして。熊革製品を取り扱うITAZ LEATHERというお店です。
この度、ECサイトを開設しました。今回はその経緯について書きたいと思います。
2024年から展示販売会を秋田県、宮城県で開催し、手売りにこだわって販売してきました。
手売りにこだわったのは、「熊の革」という素材をほとんどの人が見たことも触れたこともなかったからです。
秋田県では年間数百頭の熊が毎年捕殺されますが、熊の皮の利活用はほとんどされてきませんでした。
自分もいち狩猟者として駆除現場に携わるなかで、捨てられる皮を何度も目にしてきたし、
各地の猟師さんとお話しても、肉は食べるけど皮は捨ててるという方がほとんどです。
だからこそ、熊の革を見たり触れたりしたことがない方が多いのも当然だと思うし、
駆除現場のことを知らない人も当たり前にたくさんいるだろうな、と感じていました。
そこで僕が開いてきた展示販売会では、熊の駆除現場で狩猟者の方々が丁寧に熊を解体しているというお話から、
熊の皮はどうしようもなくて捨てられていて、その皮を集めてITAZ LEATHERという事業を始めたのです、
というお話をパネル展示しつつ、革製品に見て、触れて、気に入ったものがあればご購入していただく。
そんな会をやっていました。
ありがたいことに、素性のわからない人間の展示販売会にきてくださる方は予想以上に多くて、
合計で約1000名の方にご来場いただき、ひとりひとりとさまざまなお話をすることができました。
各地で展示販売会を開くことを「旅マタギ的行脚」と名付けていたのですが、
この行脚は今後も続けていくべきだし、自分が心から感じていることは必ず伝わるなと思えた1年でした。
ただ、やはりイベントだけだと1回きりの関係性になってしまいやすいのもまた事実で、
店舗がないと、興味を持ってくださった方が熊革製品を購入できるポイントがその展示販売会のみになってしまう。
最初はそれでもいい、むしろだからこそいい、と思って活動していたのですが、
1年経った今、そろそろ場所を持つことを考えたほうがいいのでは、と思うようになりました。
リアルな店舗を持つことが今のところの目標ですが、場所にはこだわりたいので少し時間をかけたい。
その代わりネットショップを開いてみようと思い至りました。
架空だけれど場所は場所。自分のやっていることや、大事に思っていることを伝えつつ、熊革製品を購入できるポイントを作る。
ITAZ LEATHERのことを誰も知らなかった1年前とは訳が違うし、今ならできるはず。
そう思って開きました。そんな経緯です。
お世話になっている人に相談したら「ネットは片手間でやっても絶対にうまくいかない。
リアルな店舗よりも大変だと思って運営しないといけないよ」とアドバイスをもらいました。
僕も過去に2度ネットショップを開いた経験があるので、そのことは重々承知しているつもりです。
運営しながらルーティンワークを構築して、自分もお客さんも疲弊しない形で続けられるように頑張っていくつもりです。
まずは自分でITAZ LEATHERの店舗を持てる日まで、ネットショップを運営するオーナーとして張り切っていきたいと思います。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。サイト内もぜひ覗いていってくださいね。
雪解けのふきのとう
山田健太郎